小規模多機能型居宅介護(小規模多機能ホーム)の概要

サービス内容や利用条件、料金などについて。

要支援 要介護
更新日:2021/04/06
共有
Twitter
Facebook
LINE

小規模多機能型居宅介護(小規模多機能ホーム)とは

小規模多機能型居宅介護(小規模多機能ホーム)は、施設への「通い」、短期間の「宿泊」、自宅への「訪問」の3つを組み合わせ、日常生活上の支援や機能訓練などを行うサービスです。

1つの事業所と契約することで、「通い(デイサービスに相当)」「宿泊(ショートステイに相当)」「訪問(ホームヘルプに相当)」の各サービスを一体的に受けることができます。

※要介護者向けのサービスは「小規模多機能型居宅介護」、要支援者向けのサービスは「介護予防小規模多機能型居宅介護」といいます。(以下、この2つを合わせて「小規模多機能型居宅介護」と表記します)

サービスの仕組み

小規模多機能型居宅介護は、施設への「通い」を中心としてサービスが提供され、状況や希望に合わせて「宿泊」や「訪問」が柔軟に組み合わされることになります。

各サービスは同一の事業所によって提供されるため、顔なじみの職員から「一貫性・連続性のあるケア」を受けることができます。

各サービスの利用定員は次のようになります。

  • 事業所ごとの登録人数:29人以下
  • 「通い」の利用定員:15人以下(事業所によっては18人以下)
  • 「宿泊」の利用定員:9人以下

※登録人数と利用定員は、事業所により異なる場合があります。

サービスの対象者

小規模多機能型居宅介護のサービスは、「要支援1・2」または「要介護1~5」の認定を受けている人が対象となります。

また、このサービスは「地域密着型サービス」となるため、事業所がある市区町村に住民票を置いている必要があります。

併用できないサービス

下記のサービスについては、小規模多機能型居宅介護と併用することはできません。

※「訪問看護」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」「福祉用具貸与」などは併用が可能です。

ケアマネジャーの変更

小規模多機能型居宅介護を利用する際には、それまで担当していたケアマネジャーからこのサービス専属のケアマネジャーに変更する必要があります。

小規模多機能型居宅介護のサービス内容

小規模多機能型居宅介護では、主に次のサービスを受けることができます。

「通い」のサービス内容
  • 食事の提供
  • 食事、排泄、入浴等の介助
  • 機能訓練
  • レクリエーション
  • 自宅から施設への送迎
「宿泊」のサービス内容
  • 食事の提供
  • 食事、排泄、入浴等の介助
  • 自宅から施設への送迎
「訪問」のサービス内容
  • 安否確認
  • 食事、排泄、入浴等の介助、その他日常生活上の世話

各サービスには次のような特徴があります。

通い
利用者の生活スタイルに合わせた時間の過ごし方ができます。(短時間の利用から長時間の利用まで)
宿泊
計画的な宿泊のほか、急な宿泊にも対応しています。(部屋が空いている場合)
訪問
在宅時の支援、安否確認、緊急時の訪問など、必要なときに必要なだけサービスを受けられます。

自己負担額の目安

小規模多機能型居宅介護の1ヶ月あたりの基本料金は次のようになります。(月単位の定額制となります)

※利用者の要介護度などにより料金は異なります。

要支援者の基本料金

「要支援1・2」の認定を受けている人の料金です。

利用者の要介護度[上段] 自己負担額(1ヶ月)[下段]
要支援1 3,438円
要支援2 6,948円

要介護者の基本料金

「要介護1~5」の認定を受けている人の料金です。

利用者の要介護度[上段] 自己負担額(1ヶ月)[下段]
要介護1 10,423円
要介護2 15,318円
要介護3 22,283円
要介護4 24,593円
要介護5 27,117円

共通事項

食事代、宿泊代、おむつ代などは介護保険の適用外となるので、それらの費用は自費で負担する必要があります。

具体的には、「通い」と「宿泊」を利用した際に次の費用が別途必要となります。

  • 通い:食事代 + おむつ代など
  • 宿泊:宿泊代 + 食事代 + おむつ代など

宿泊代は1泊あたり「1,500円~3,500円」程度になります。(施設により異なります)

  • ※送迎料は基本料金に含まれます。
  • ※上記の自己負担額は利用者負担割合が「1割」の場合の金額です。
  • ※基本料金の他に複数の加算項目が設定されています。
  • ※サービスを利用する地域(地域区分)により利用料金は異なります。
著者情報

高橋 永治(たかはし えいじ)

介護情報サイト「介護Ways」の運営者。

1996年、自身にとって初となるWebサイトを立ち上げ、98年からは企業向けのWebサイト制作サービスを開始。現在は企業サイトの運営管理、および複数の自サイトの運営管理を行っている。

親が認知症になってからは介護の世界に関心を持ち始め、介護保険制度について調べていくうちに「この複雑で分かりにくい情報を整理したい」という思いに駆られ、10ヶ月に渡る制作期間を経て2020年1月に介護Waysを公開。「簡潔に分かりやすく」がモットー。