利用者負担割合の概要

負担割合が決まる条件と介護保険負担割合証の交付について。

更新日:2021/06/03
共有
Twitter
Facebook
LINE

利用者負担割合とは

利用者負担割合とは、介護保険サービスの利用料金のうち、利用者が自己負担する割合のことです。

多くの人は1割負担となりますが、所得によっては2割、または3割負担になることがあります。

※2割負担の人は全体の20%、3割負担の人は全体の3%程度になるようです。(2019年時点の情報)

負担割合が決まる条件

第1号被保険者(65歳以上)の負担割合は、前年の「本人の合計所得金額」と「課税年金収入 + その他の合計所得金額の合計」によって決まります。(この判定は役所が自動的に行います)

負担割合[上段] 前年の所得[下段]
3割
  • 本人の合計所得金額が220万円以上で、課税年金収入 + その他の合計所得金額の合計が
    「同一世帯の65歳以上が1人の場合は340万円以上」
    「同一世帯の65歳以上が2人以上の場合は463万円以上」
2割
  • 本人の合計所得金額が220万円以上で、課税年金収入 + その他の合計所得金額の合計が
    「同一世帯の65歳以上が1人の場合は280万円以上340万円未満」
    「同一世帯の65歳以上が2人以上の場合は346万円以上463万円未満」
  • 本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で、課税年金収入 + その他の合計所得金額の合計が
    「同一世帯の65歳以上が1人の場合は280万円以上」
    「同一世帯の65歳以上が2人以上の場合は346万円以上」
1割
  • 本人の合計所得金額が160万円以上で、課税年金収入 + その他の合計所得金額の合計が
    「同一世帯の65歳以上が1人の場合は280万円未満」
    「同一世帯の65歳以上が2人以上の場合は346万円未満」
  • 本人の合計所得金額が160万円未満
  • ※課税年金 = 国民年金・厚生年金等(遺族年金・障害年金等の非課税年金は含みません)
  • ※第2号被保険者(40~64歳)、住民税非課税の人、生活保護受給者は上記にかかわらず1割負担となります。

介護保険負担割合証の交付

毎年7月頃になると、利用者の負担割合が記載された「介護保険負担割合証」が役所から送られてきます(要介護・要支援の認定者が対象)。この証明書は介護保険サービスを利用する際に必要となるので、大切に保管しておいてください。

  • ※「介護保険負担割合証」の有効期間は、8月1日から翌年の7月31日までとなります。
  • ※新規に要介護・要支援の認定を受けた人は、認定結果の通知時に交付されます。

利用者の負担額が高額になった場合

利用者の負担額が高額になった場合は、「高額介護サービス費」制度を利用することで負担を軽減することができます。

高額介護サービス費制度

高額介護サービス費とは、介護保険サービスの利用者負担額が一定金額を超えた場合に、その超えた分が払い戻されるという制度です。

この制度を利用することで、1ヶ月あたりの自己負担額を一定の金額に抑えることができます。

そのため、負担割合が2割、3割の人であったとしても、必ずしも負担額が2倍、3倍になるとは限りません。

著者情報

高橋 永治(たかはし えいじ)

介護情報サイト「介護Ways」の運営者。

1996年、自身にとって初となるWebサイトを立ち上げ、98年からは企業向けのWebサイト制作サービスを開始。現在は企業サイトの運営管理、および複数の自サイトの運営管理を行っている。

親が認知症になってからは介護の世界に関心を持ち始め、介護保険制度について調べていくうちに「この複雑で分かりにくい情報を整理したい」という思いに駆られ、10ヶ月に渡る制作期間を経て2020年1月に介護Waysを公開。「簡潔に分かりやすく」がモットー。