短期入所療養介護(医療型ショートステイ)の概要

サービス内容や利用条件、料金などについて。

要支援 要介護
更新日:2021/06/03
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短期入所療養介護(医療型ショートステイ)とは

短期入所療養介護(医療型ショートステイ)は、介護老人保健施設などに短期間入所して、食事や入浴などの介護、医療的なケア、リハビリテーションなどを受けるサービスです。

このサービスでは、医療的なケアを必要とする要介護者・要支援者を施設に預けることで、その家族に「休息や外出の時間」を作ってもらうことが主な目的となります。

※要介護者向けのサービスは「短期入所療養介護」、要支援者向けのサービスは「介護予防短期入所療養介護」といいます。(以下、この2つを合わせて「短期入所療養介護」と表記します)

サービスの対象者

短期入所療養介護のサービスは、「要支援1・2」または「要介護1~5」の認定を受けた人が対象となります。

利用日数

連続利用日数は最大で「30日」までとなります。

※利用可能な日数には「支給限度額」も関係してくるので、要介護度の低い人はこれよりも短くなります。

利用施設

短期入所療養介護のサービスは、主に次の施設を利用して提供されます。

施設の種類:「介護老人保健施設」「療養病床が設置された病院・診療所」など

※施設の空床(空きベッド)を利用してサービスが提供されます。

部屋のタイプ

部屋のタイプは次の4つです。(どのタイプが利用できるかは施設により異なります)

従来型個室
一般的な個室
多床室
2~4人で利用する相部屋
ユニット型個室
ユニットケアを導入している個室
ユニット型個室的多床室
ユニットケアを導入している個室風の多床室(完全な個室ではなく、多床室を間仕切りで区切ったスペースになります)

ユニットケアとは、10人ほどの利用者で1つのユニットを形成し、各ユニット単位で共同生活を送る仕組みのことです。共用スペース(リビング等)がユニットごとに設置され、それに隣接する形で各部屋が配置されています。

短期入所療養介護のサービス内容

短期入所療養介護では、主に次のサービスを受けることができます。

サービス内容
  • 食事の提供
  • 食事、排泄、入浴などの介助
  • 健康状態の確認(体温、血圧、脈拍、等)、病状の観察
  • 医療的なケア
  • 専門職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)によるリハビリテーション

自己負担額の目安

短期入所療養介護の1日あたりの基本料金(介護サービス費)は次のようになります。

※施設の種類、部屋のタイプ、利用者の要介護度などにより料金は異なります。

要支援者の基本料金

「要支援1・2」の認定を受けている人の料金です。

例:介護老人保健施設(基本型)を利用する場合
部屋のタイプ[上段] 自己負担額(1日)[下段]
ユニット型個室
ユニット型個室的多床室
要支援1
621円
要支援2
782円
従来型個室
要支援1
577円
要支援2
721円
多床室
要支援1
610円
要支援2
768円

要介護者の基本料金

「要介護1~5」の認定を受けている人の料金です。

例:介護老人保健施設(基本型)を利用する場合
部屋のタイプ[上段] 自己負担額(1日)[下段]
ユニット型個室
ユニット型個室的多床室
要介護1
833円
要介護2
879円
要介護3
943円
要介護4
997円
要介護5
1,049円
従来型個室
要介護1
752円
要介護2
799円
要介護3
861円
要介護4
914円
要介護5
966円
多床室
要介護1
827円
要介護2
876円
要介護3
939円
要介護4
991円
要介護5
1,045円

共通事項

上記は料金設定の一部のみを掲載しています。(実際には条件ごとに細かく設定されています)

送迎を希望する人は、その費用が別途必要となります。

食事代や部屋代などは介護保険の適用外となるので、それらの費用は自費で負担する必要があります。(費用の目安は基準費用額をご覧ください)

  • ※上記の自己負担額は利用者負担割合が「1割」の場合の金額です。
  • ※基本料金の他に複数の加算項目が設定されています。
  • ※サービスを利用する地域(地域区分)により利用料金は異なります。

食事代と部屋代を含めた料金のサンプル

参考までに、食事代と部屋代を含めた額を次の条件で計算してみました。

  • 利用者の要介護度:要介護3
  • 施設の種類:介護老人保健施設(基本型)
  • 部屋のタイプ:多床室
  • 食事代と部屋代には「基準費用額」を使用

計算式:介護サービス費(1割負担) + 食事代と部屋代 = 合計額
(食事代 = 1,445円/日、部屋代 = 377円/日)

利用日数[上段] 自己負担額[下段]
1日 939円 + 1,822円 = 2,761円
7日 6,573円 + 12,754円 = 19,327円
14日 13,146円 + 25,508円 = 38,654円
28日 26,292円 + 51,016円 = 77,308円
  • ※上記の金額は目安としてご覧ください。(各種の加算費用、理美容代、日用品代などは含まれていません)
  • ※上記の条件の場合、利用日数は「28日」までとなります(これ以上利用すると、介護サービス費が「要介護3」の支給限度額を超えてしまうため)。条件によってはもっと短くなる可能性があります。

個室を利用する場合は、部屋代が大幅に高くなります。食事代については施設によってばらつきがあり、おやつ代を含めて「2,000円/日」くらいかかる場合もあります。

1日あたりの総費用としては、条件により異なりますが「4,000~7,000円」の範囲に収まるケースが多いようです。

所得が少ない人は、食事代と部屋代の負担が軽減される「特定入所者介護サービス費」を利用できる場合があります。

著者情報

高橋 永治(たかはし えいじ)

介護情報サイト「介護Ways」の運営者。

1996年、自身にとって初となるWebサイトを立ち上げ、98年からは企業向けのWebサイト制作サービスを開始。現在は企業サイトの運営管理、および複数の自サイトの運営管理を行っている。

親が認知症になってからは介護の世界に関心を持ち始め、介護保険制度について調べていくうちに「この複雑で分かりにくい情報を整理したい」という思いに駆られ、10ヶ月に渡る制作期間を経て2020年1月に介護Waysを公開。「簡潔に分かりやすく」がモットー。